神奈川こどもレジ室

神奈川県立こども医療センターの後期研修医(ジュニアレジデント)のブログです

ベイリーさんと広浜食堂13 ファシリティ食堂と呼ぼうか。

レジデント佐藤です。

広浜食堂に通い始め、3年が経ちました。
 
誰かと一緒なら、喜びは2倍に、悲しみは半分に。
 
広浜食堂は、単なる食堂ではありません。
神奈川県立こども医療センターを訪れるこども、ご家族、働く私たち。
その日常には、この上ない喜びもあれば、途方もない悲しみもあります。
その日常を懸命に過ごす一人一人に一緒にいてくれる、
その「誰か」になってくれる食堂なのです。
 
担当患者さんの好転が涙が出るほど嬉しかった、あの日のカツカレー。
つらい1日を讃えてくれた、ゴーヤチャンプルーの苦味。
どうしようもない悲しみに啜る鼻水を隠してくれた、あの夜の坦々麺。
昂る気持ちを落ち着かせてくれた、安心のハンバーグ定食。
 
どんな顔で訪れても、等しく迎えてくれる社長はじめスタッフの皆さん。
 
変わらずそこにあること。
この3年間、何度救われたことでしょう。
 
綺麗に建て直された本館に比べ、改修が遅れる管理棟にある広浜食堂。
お世辞にもピカピカとは言えません。
でも。本当に大切なものは、目に見えないんだ。
「広浜食堂12 本当に大切なものは。」
 
ここにはピカピカのおもてなしがあります。
 
 
さて。
高度な小児専門医療の提供・開発を使命と帯びた神奈川県立こども医療センター。
目の前の患者さんにセンター総力をあげ全力で立ち向かうその中で、
欠かせないのがゴールデンレトリバーベイリーさんです。
言わずと知れた日本で初めてのファシリティドッグで、
病気に立ち向かう子供達の本当に大きな力になっています。
 
※「ファシリティ=施設の」という意味で、こども病院にスタッフとして勤務し、
患者さんやご家族が病気に立ち向かうサポートをする役割のイヌのこと。
 
医療スタッフも非常に感謝・尊敬しており、当院医師のカルテには
敬称付きの記載が多く見られます。
(例:明日の採血立会いをべ氏に依頼する。
ベイリーさん訪室で検査の決断をした様子。)
 
不肖佐藤は思いました。
ベイリー≒広浜食堂 
つまり広浜食堂はファシリティ食堂。
大丈夫です。冷静です。
 
厳しい未来へ挑む勇気をくれ、辛い時にそっと寄り添ってくれる。
 
広浜食堂がいつまでも優しく、暖かく、
愛と塩分とカロリーに満ちた場所でありますように。