レジデント佐藤です。
広浜食堂に通い始め、3年が経ちました。
誰かと一緒なら、喜びは2倍に、悲しみは半分に。
広浜食堂は、単なる食堂ではありません。
神奈川県立こども医療センターを訪れるこども、ご家族、働く私たち。
その日常には、この上ない喜びもあれば、途方もない悲しみもあります。
その日常を懸命に過ごす一人一人に一緒にいてくれる、
その「誰か」になってくれる食堂なのです。
担当患者さんの好転が涙が出るほど嬉しかった、あの日のカツカレー。
つらい1日を讃えてくれた、ゴーヤチャンプルーの苦味。
どうしようもない悲しみに啜る鼻水を隠してくれた、あの夜の坦々麺。
昂る気持ちを落ち着かせてくれた、安心のハンバーグ定食。
どんな顔で訪れても、等しく迎えてくれる社長はじめスタッフの皆さん。
変わらずそこにあること。
この3年間、何度救われたことでしょう。
綺麗に建て直された本館に比べ、改修が遅れる管理棟にある広浜食堂。
お世辞にもピカピカとは言えません。
でも。本当に大切なものは、目に見えないんだ。
「広浜食堂12 本当に大切なものは。」
ここにはピカピカのおもてなしがあります。
さて。
高度な小児専門医療の提供・開発を使命と帯びた神奈川県立こども医療センター。
目の前の患者さんにセンター総力をあげ全力で立ち向かうその中で、
欠かせないのがゴールデンレトリバーのベイリーさんです。
言わずと知れた日本で初めてのファシリティドッグで、
病気に立ち向かう子供達の本当に大きな力になっています。
※「ファシリティ=施設の」という意味で、こども病院にスタッフとして勤務し、
患者さんやご家族が病気に立ち向かうサポートをする役割のイヌのこと。
医療スタッフも非常に感謝・尊敬しており、当院医師のカルテには
敬称付きの記載が多く見られます。
(例:明日の採血立会いをべ氏に依頼する。
ベイリーさん訪室で検査の決断をした様子。)
不肖佐藤は思いました。
ベイリー≒広浜食堂
つまり広浜食堂はファシリティ食堂。
大丈夫です。冷静です。
厳しい未来へ挑む勇気をくれ、辛い時にそっと寄り添ってくれる。
広浜食堂がいつまでも優しく、暖かく、
愛と塩分とカロリーに満ちた場所でありますように。